事件は、東京の繁華街、赤坂のプライベートサウナ「SAUNA TIGER」において、先日発生した。被害に遭ったのは、美容室を経営する松田政也さん（36）とその妻、陽子さん（37）。警視庁の発表によると、夫妻は出火地点から発見された際、サウナ室の入り口近くに倒れており、互いに重なり合った姿で発見されたという。火が発生したのは、ビルの3階で、目撃者によれば、炎の煙の目視はできなかったものの、周囲の住民は煙の臭いに驚き、警報のサイレン音が響いたという。
近隣住民は、「昼頃、サイレンが聞こえて、不安な気持ちになった。普段よく利用する場所だけに、驚いている」と語る。しかし、その驚きは、まさかの悲劇に繋がることを誰も想像していなかった。
火災事故後の調査によって、サウナ室のドアノブが外れていたため、夫妻が脱出できなかった可能性が高いことが判明した。また、サウナ室内には非常用ボタンが設置されていたが、ボタンが正常に作動したかどうかは不明だ。防火対策の欠如が、このような悲劇を招いたのではないかとの意見も浮上している。
一方、同じく個室サウナを運営する川崎市の「ロウリューランド」では、非常用ボタンの設置や火災報知器の必須設置、換気口の配置など、安全対策を徹底している。サウナの店長である三枝祥栄氏は、客が体調を崩した場合でも簡単に外に出られるように設計されていると語り、実際に非常用ボタンの音を聞かせてくれた。「ピーピー」と鳴る警報は、即座にスタッフのもとへ伝わり、迅速に対応できるようになっているという。
赤坂の現場からは、燃えたタオルが残されているのが確認されているが、火災の原因については、警視庁が引き続き調査を行っている。この惨事を受け、個室サウナ業界全体における、安全基準の見直しを求める声が高まることが予想される。安全対策の強化が求められる中、この悲劇が二度と繰り返されないことを切に願うばかりだ。
この事件は、サウナ利用者にとっての安全性がいかに大切であるかを再認識させるものであり、さらなる情報が待たれる。私たちの日常の中で見過ごされがちな安全対策が、死をもたらす危険を孕んでいることを、私たちは肝に銘じなければならない。今後の展開に引き続き注意を払い、決して忘れないようにしたい。
