「本当に乗りたい人が乗れない」相席ブロック問題が深刻化、予約時の悪質行為でキャンセル料値上げへ

年末年始の帰省ラッシュが迫る中、交通機関でのトラブルが急増している。特に、長距離バスにおける「相席ブロック」と呼ばれる迷惑行為が社会問題化しており、乗客の権利と快適な移動を脅かす事態となっている。この問題は今月だけで50件以上の疑いが浮上しており、ますます深刻化している。バス会社は急遽、キャンセル料の値上げを決定せざるを得ない状況に追い込まれている。

相席ブロックとは、ある乗客が隣接する二つの席を予約し、出発直前に一方の席をキャンセルすることで、他の乗客が隣に座れないようにする行為を指す。これにより、本来ならはっきりと乗車できるはずの他の客が乗れず、バス会社は多大な損失を被っている。ユタカ交通の奈良幸治執行役員によると、今月だけでこのようなバス予約に関する問題が50件以上発生しているという。中には同一名義で予約された席のうち、一部だけが入金されているケースも見受けられ、疑いの目を向けられている。

「本当に乗りたい人が乗れない」と、奈良役員は怒りを隠さない。この迷惑行為は、バス会社にとって販売機会の損失を意味し、これからの繁忙期には特に痛手となる。その結果、得られるはずの利益が減少し、経営にも影響を及ぼすことが懸念されている。そして、その影響を直接受けるのは、他でもない一般の乗客である。

これに伴い、JRバス中国では「ロの字型キャンセル」というさらに悪質な事例も報告されている。過去には、9つの席を予約した乗客が、出発直前にロの字型に周囲の席をキャンセルするという信じられない状況が発生した。このような行為は、側から見ると極めて不誠実で、他の乗客を不快にさせるだけでなく、全体のサービス品質にも傷をつける結果となる。

一部のバス会社は、このような迷惑行為を根絶すべく、キャンセル料の引き上げを決定した。これまで100円であったキャンセル料を、大幅に引き上げることを発表。前日キャンセル時には運賃の50%、出発直前の2時間を切ると100%のキャンセル料が課せられることになる。この驚くべき決断は、規則を守る乗客にとっては不利益となる恐れも多分に含んでいるが、悪質な行為に対する厳しい対策が必要とされるからこその措置である。

航空券の譲渡問題も深刻だ。最近では、SNSを通じて「#航空券譲」という投稿が急増しており、これがまた新たなトラブルの火種となっている。特に、安価な航空券の場合、「返金不可」となっているため、譲渡を持ちかけている利用者も少なくない。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、これら譲渡行為が禁止行為であり、賠償請求の可能性があることを警告している。航空会社は、この状況を受け、搭乗者全員の身分証明書の確認を徹底する可能性についても言及しており、今後の対応が気になるところだ。

このような状況の中、年末年始には帰省や旅行に出かける人々にとって、交通手段を確保することが一層困難になることが予想される。モラルある行動が求められる一方で、利用者各自が今一度、他人を思いやる行動をしなければならないと強く訴えられている。乗客が移動を安心して楽しむためには、明確なルールと共に、個々のモラルの向上が不可欠である。年末年始を迎え、健全な交通社会の実現を目指す我々一人ひとりの行動が問われている。