暴力団の犯罪に加担した疑いがあることを口実に、愛媛県松山市の70代男性が3500万円相当の金塊をだまし取られる事件が発生!

愛媛県松山市で衝撃の詐欺事件が明らかになった。70代の男性が「暴力団の犯罪にあなたの口座が使われている」という巧妙な電話を信じ込み、なんと時価3500万円相当の金塊をだまし取られるという痛ましい被害に遭った。これは、今月10日に電話を受けてからわずか8日後の18日に起こった、現代社会の隙間を突いたオレオレ詐欺の一例だ。

事件は、NTTドコモカスタマーセンターの職員を名乗る女性から、自宅の固定電話にかかってきた一本の電話から始まった。電話の内容は「東京であなた名義の口座が開設されている」との驚愕のものであり、男性は動揺した。続けて、「東京中央署に電話してください」という指示があり、男性は不安を抱えながらも告げられた電話番号にかけた。この時点で彼の運命は大きく変わってしまった。

電話の先には、警察官を名乗る男が待っていた。男は誤解を招くような説明をし、悪質な詐欺へと男性を引き込んだ。「あなたの名義の口座に暴力団の人間が薬物の販売代金を振り込ませていた」という衝撃の事実に、男性は怯えた。さらには、名義使用の謝礼として400万円が渡されるというさらなる情報が声を通じて届けられる。混乱する男性の心を巧みに操る男の言葉には、計略が隠されていた。

次に検事を名乗る男が電話に出て、「東京地裁から逮捕状が出ている」と伝え、さらに状況は深刻化する。「本来なら逮捕するが、今のところ電話で取り調べをする」との言葉に、男性は完全に錯乱状態に陥った。犯罪に関与しているとの疑いがかけられ、自らの資産状況まで尋ねられた男性は、ほんの一瞬の判断ミスで思わぬ形で金塊があることを伝えてしまったのだ。

詐欺師は慎重に男性の心を掴んだ。金塊を手放させるため、「あなたに犯罪で得た報酬を金塊に換えた資金洗浄の疑いがかけられている」と語りかけ、金塊とその領収書を確認する必要があると告げる。さらに、男性に紙袋に詰めた金塊を玄関に置くように指示して、完全に信用させた。

この信じがたい指示に従った男性は、今月18日、1.5キログラムもの金塊、時価約3500万円相当を用意し、玄関先に置いてしまったのだ。そして、まんまとその金塊を奪われてしまった。その瞬間、何者かが紙袋を回収していく様子を目の当たりにすることになった。そして、男性はこの恐ろしい詐欺に巻き込まれたことを察知したのは、後の祭りだった。

事件が発覚したのは、その後この男性が実際の東京中央警察署の電話番号を調べ直し、真実を知るまでの過程であった。警察によると、警察官を名乗る人物からの電話があった場合には、名前や所属を確認し、一旦電話を切ることが何よりも重要だと訴えている。「#9110」の警察相談電話や、自身で調べた警察署の番号にかけることで、詐欺の被害を未然に防ぐことができる可能性があるということだ。

この事件は、ますます悪質化する詐欺の手口を浮き彫りにしている。特に、高齢者が狙われている現状に対して社会全体が警戒を強めなければならない。愛媛県内でも同様の詐欺被害が報告されており、今後も事例が増加することが懸念される。私たちは、一人ひとりが注意深く行動し、騙されないための心構えを持つ必要がある。詐欺師たちは非常に巧妙で手口が進化している。被害を未然に防ぐため、情報を共有し、コミュニティ全体で注意深くなければならない時が来ているのだ。