【ハンター試験で出題ミス】狩猟免許の“知識試験”で鳥獣捕獲に関し「正解のない問題」を出題…”全員正解”扱いとなり新たに2人が合格、次の”技能試験”へ<北海道>

北海道で発生した狩猟免許試験における前代未聞の出題ミスが、波紋を呼んでいます。12月7日に行われた狩猟免許の“知識試験”において、鳥獣保護管理法に関する重要な問題に「正解」が存在しない状態で出題され、受験者全員が正解扱いとなったのです。この異常事態がもたらす影響は大きく、試験を受けた全258人が「正解」とされ、その中から新たに2人が不合格から合格へと転じました。

この問題が発覚した経緯は衝撃的です。試験当日、受験者の中から「選択肢の中に正解がないのではないか」との指摘がありましたが、道は設問及び根拠法令を確認し、問題は無いと判断。試験を強行した結果、翌日の8日には環境省への照会によって、その問題の誤りが明らかになりました。道は即座に受験者を全員合格扱いにし、新たに2人が合格となるという異例の措置を実施しました。

驚くべきことに、この出題ミスによって新たに合格した受験者には道からの謝罪が行われ、次回の“技能試験”を改めて実施する予定が伝えられました。この一連の流れは、狩猟免許取得の厳格な手続きを根本から揺るがすものであり、多くの関係者に衝撃を与えています。さらに、道は再発防止策として、野生動物対策課に専門職員による検討会を設置し、問題のチェック体制を強化する方針を示しています。

狩猟免許は鳥獣保護管理法に基づく国家資格で、複数の種類に分けられています。具体的には、第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)、第二種銃猟免許(空気銃)、わな猟免許、網猟免許の4つがあり、各ライセンスを取得するためには知識試験、適性試験、技能試験の合格が不可欠です。近年、北海道における狩猟免許の受験者、合格者数は増加傾向にあり、特に女性の参加も増えてきている実情があります。

令和3年度には受験者が1万1883人、合格者は873人(このうち女性128人)、令和4年度は受験者1万2362人、合格者1123人(女性210人)、そして令和5年度は受験者1万3167人、合格者1198人(女性166人)となっています。この状況の中で、今回の試験ミスは更なる不安を呼ぶ要因となるでしょう。

道が迅速に対応したことは評価されるものの、今後の関係者や受験者の信頼回復には多くの時間と努力が求められます。試験制度の根幹を支える法令解釈や問題作成の精度が問われることになるでしょう。この鮮烈な事件が、今後の試験制度のあり方にどのような影響を与えるのか、引き続き注視が必要です。

北海道はこの問題に対処すべく、誠実な姿勢で再発防止策を講じていくとしていますが、果たしてどのように信頼を取り戻すことができるのか、受験者たちの心に潜む疑念はすぐには消え去らないでしょう。引き続き、この問題の動向に注目が集まります。