福岡県飯塚市で、73歳の男性が驚愕の詐欺事件に巻き込まれ、箱に詰められた金地金2098万円相当が奪われるという衝撃的な出来事が発生しました。この事件は、警察官や検察官を装った詐欺師たちの巧妙な計略によるもので、緊急性と深刻さが際立っています。

事件は2023年11月19日の午後3時半頃、飯塚市に住む無職の男性の携帯電話にかかってきた一本の電話から始まりました。発信者は氏名不詳の男性で、「医療費に不審な点がある」と不穏な言葉で男性を脅かしました。続いて、偽の大阪府警捜査二課の警察官を名乗る男性から電話が入り、なんと男性名義の銀行口座がマネーロンダリングに関与していると告げられました。「容疑者のあなたには見張りが必要です」と言い放つB男の声に、男性は観念してしまったのです。

B男は男性に対し、「優先捜査を行うので、口座残高を全て教えてください」と迫り、「そうしなければ牢屋に入りますよ」という圧力をかけました。これにより、男性は完全にパニックに陥り、自分の身の危険を感じ始めます。信じがたいことですが、警察官をかたる不審者に促される形で、さらに男性は検事に名を変えるC男にまで電話をかけ、彼らの言動に強く信用してしまったのです。

さらに、B男からの悪巧みは続きます。「貴金属販売会社で金を購入してほしい」との指示を受け、男性は計9本の金地金(100グラムずつ)を購入する手続きを開始し、その合計は2098万円を超えていました。12月3日、男性は無事に金を受け取り、その後待ち受ける危機を全く察知していなかったのです。

そしてまず、その日の午後3時50分頃、何事かが起きました。自宅の門柱の上に置いた金が入った手提げ袋が、謎のD女に持ち去られるという瞬間が訪れました。男性はこの詐欺によって、なんと9本の金地金を奪われるという痛恨の失態を演じてしまったのです。

福岡県警はこの人々の巧妙な詐欺の手口を告知し、特に警察官を名乗る電話には注意を呼び掛けています。「SNSで事件を伝える」「捜査のためにお金を送金させる」といった事例は絶対にありえません。もし電話で資金洗浄や逮捕状といった言葉が出てきたら、即座に電話を切るよう呼びかけています。また、国際電話番号を悪用した詐欺の可能性もあるため、必要ない場合は国際電話の受信を勝手に停止できる「国際電話不取扱受付センター」のサービスを利用することが推奨されています。

この事件は、詐欺の被害を防ぐための警告とも言えます。高齢者をターゲットにした巧妙な手口に対して、地域社会全体で警鐘を鳴らし、被害の拡大を防ぐ必要があります。被害に遭った男性の無念を考えると、このような事件は二度と繰り返されてはなりません。警察は常に市民を守る立場として、情報共有を強化します。被害に遭わないための予防策を再確認し、周囲の方々にもこの緊急の警告を広めていくことが求められています。